え、いや・・・タイトルは美しいけど、ただの新店舗レポです。

玉山区のメインストリート・国道四号線と、
その渋滞を緩和すべく新設された「渋民バイパス」の、
まさに結節点に位置する、イオンスーパーセンター盛岡渋民店。
この時点でもなお、「イオン盛岡渋民ショッピングセンター」の名が生きているのは、
グループ内での言い分けなのか、何なのか。

盛岡市中心部から、新しいバイパスを経由していくと、
周囲の風景に溶け込んだ、茶色と緑色が特徴的。
まるで牧歌的だが、だからこそイオンのコーポレートカラーが際立つ。

正面たる逆方向から見ると、「姫神の郷」にイオンが1テナントとして
出店しているかのように見える出来映え。
ベージュの壁面でお馴染みの威容ではなく、
「地域に溶け込むこと」への会心の作と言えよう。

早速中へ入ると、やはり客層は高年齢層が多いが、
なかなかどうして、40歳代と小中学生と思しき面々も。
例えて言うなら、「南部家敷の客層」か。

とりあえず、全てのものは揃っている。
商品の値段は、概ね低価格に揃えられているようだ。
特に鍋釜食器類は、このエリアでは群を抜くはず。
同じ商品が他のイオン店舗より安いような気がするが、目の錯覚???

ゲームコーナー、ケータイショップ、マッサージと、
これまたこのエリアに不足していたコーナーが連なり、
需要の有無は分からないが、ブランド品や貴金属のコーナーもある。
店舗と言うよりは、これらをコーナーと呼ぶのが適当に思えた。

足湯「啄木鳥の湯」は思ったほど大きくはないが、
「珍しい」と言う点では耳目を集めるし、この先人気が落ちればすぐに転用可、な空気。
隣のフリースペースは健康ランドのお休みどころみたいなマッタリ感で、
周囲から遮られず丸見えなのがミソなんだろう。
知ってる人が大勢いるだろう村社会、そこで繰り広げられる「あらどうも」な繋がり、
次長をもっとも驚かせたのは、リーズナブルなPBでおなじみ「トップバリュ」製品づくしで、
卓を囲んで茶飲み話のファミリーたち。
もはやこの光景自体が、イオンの浸透を進める「生けるポスター」・・・。

何よりも、この店に集められているのは「玉山ではお目にかからなかったもの」に尽きる。
1時間300円の卓球台とか、もう利益なんて一切追求していない行政サービスかと。
そこで下手に持ち込み不可、なんてつまんないことを言わないのが大手の風格。

また驚いたのは、「南部古代型染」販売の一角があること。
確かに、田舎のおばぁちゃんって型染バッグを持っているのをよく見る。
そういう需要も想定したんだろう。
これは「外から見た盛岡」な視点によるものだろうか。
スーパーに伝統工芸品っていう発想は、在来の盛岡系スーパーには決してないはず。
やはり地元民の頭の中には、「上質なものは●●で」という
暗黙のうちに刷り込まれた無意識の判断が生きているのだろう。
地元で手に入れば、わざわざ「マチナカ」まで買い物に行く必要がなくなる。
これこそは、玉山区民にとっての「コンパクトシティ」なのである。

「人口も減少傾向の玉山区にナゼ」という意見は
多くの盛岡市民、そして流通関係者が感じる素朴な疑問だろうが
これこそが、イオンが仕掛ける最大級の戦略であるように思えてならない。

「私たちは地域の皆様とともに地域を盛り上げることに・・・誇りを持っています」
繰り返し流れる、そんな店内放送は、さながら国威発揚のごとく勇ましい。
その割に、「姫神」を「ひめがみ(正しくはひめかみ)」って読んで直さないところは
どうかと思うけど、それが許されてるのもむしろ地元の皆さんの大らかさによるもの。
ま、直してくださいよ早目に。

葛巻林業の木材が全国各地の漆器木工を支えてるなんて知らなかったし、
いい意味での地域教育まで図れてしまう、姫神の郷。
その先の「惠一握(めぐみいちあく)」なんかは、
「道の駅が大好きな岩手県民」の心を完全に鷲掴みにしていて、
あれよあれよと、次長のかごの中はいっぱいに。

同じ岩手県でも遠すぎて買いにいけないこだわりの卵だとか、
通販でも買えるけどやっぱり作り立てを持ち帰りたい豆腐だとか、
デパートでも買えるけど選択肢が俄然広い調味料だとか、
本来、そこでしか買えない「地元ならでは」の食材がひしめく。
そして今さら気づいたんだけど、店名って石川啄木の「一握の砂」からきてるんだろなぁ。

息子がグズりはじめたので、甘味を与えることに。
そこでまた驚く・・・なんと「モッフル」がこの盛岡に!?

商品としてモッフルを出す店って、他にあるんだろうか。
おそらく、知る範囲では初めてではないかと。
嫁が放つ「一万も出してモッフル製造機買う必要がなかったわ」

さらにまた・・・この店は盛岡のお茶屋さんの経営っぽい。
うまく軌道に乗れば、そちらの方面でもビジネスチャンスが広がるかもよ
慣れてなかったのか、パリッとした触感は得られず。
修行を重ねて下さい・・・ソフトは美味しかったです。

地元の業者をしっかりと取り組みつつ、
「イワテモリオカバンザイ」な施策で責められては、嫌な顔などできるはずもなく、
「イオン大好き」なイオンチルドレンが量産されるのも時間の問題。

おそらくは、今後の店舗展開に浅からぬ影響を及ぼす実験店舗となるんでしょう。

帰りは隣のタマホームには「なぜここに?」と思いつつ、
手馴れた捌きでお客さんの対応をしているところがさすが、と思った。
見なかったけど。

くどいようですが、「ひめみのさと」は
誰かが言い出さないうちに正しく変えたほうがいいです。