上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2015.06.21 棄老令
首都圏の高齢者は地方へ移住すべし、
そんな研究結果(意見?)が発表された。

「日本創成会議」の提言を踏まえて、
「まち・ひと・しごと創生会議」が打ち出すという。

会議と言う言葉尻から「机上の空論」と皮肉りたいが、
地方の実情を知る元岩手県知事が言うのだから、
あるいは「実感のこもったもの」とも言えよう。

事実、東京の一極集中は悪だ。
が、その悪があってこその善もある。
等しく分散させたところで、求心力がないのは今の岩手県と一緒。
田舎者の背伸びと切磋琢磨が、東京を輝かせてきた。
それを保ったままで、手の掛かる年寄りは首都から出て行けと?

岩手県の構造はこうである。
内陸は、30万人レベルの1都市に数万人クラスのクラスターが連なる北上盆地。
沿岸は、重要港湾も、内陸からたった1本の高速道の行き着く先もバラバラ。
皆が等しく均等に活性化するという理念だとすれば美しいが、
他と競争して何かを遂げる牽引力など無い。
政府に震災復興の気概を見せろと言われても、それは酷な話。
他より頑張っても、平均に遠く及ばないのだから。
「広すぎる」という構造的な問題である。

隣りの宮城県はどうか。
なんでもかんでもすべては仙台一極集中。
仙台が発展してこそ県の発展があるとばかり。
仙台から離れるほど、国道沿道があまりに寂しいのに驚く。
県の広さ、地の利、歴史的な拠点性と違いはあるが、
何もかも、岩手県とは対照的である。

こういう時に首をもたげる「コンパクトシティ論」は、
究極的には東京都や宮城県のような姿であって、岩手県のそれではない。
田舎に住まなきゃいいのに、余計な投資は減らせるのに、
その思想の頂点が、現在の東京。
それが破綻したということだろう。

だから、地方へ移住しろと国は言う。
結局、集中は是なのか否なのか。

都会の介護福祉環境を、もっと整えればいいのではないか。
地方の学生は職場を求めて都会へ就職するが、
それでもバランスが取れなくなった。

生産性の低い高齢者はお払い箱、
田舎に行ってのんびり暮らして下さい、
そこで若者は地元に定着してあなたの面倒を見ます。
そうすれば地方は疲弊しません、
若者も都会へ出なくて済みます、と言っているように聞こえる。
地方在住者にしてみれば、ありがた迷惑も甚だしい。

その悪影響を受けるのは、他でもなく地方の高齢者。
気候も文化も違う地方へ、そんなに簡単に移住できるのか?

帰農令、人返し令を思い出す。

最終的には税制優遇などインセンティブを与えて移住を促すのだろうが、
お客さんとして迎えるのと、移住者として迎えるのでは、地方の思いも違う。

ふるさと納税よろしく、地方間格差は拡大するばかり。
もはやこれは地方の力ではなく、地方役人のやる気で浮き沈みする地方住民の話。

地方でやってください、地方で考えて下さいというが、
そこまでの話なら国が直轄事業でやるべきだ。

宿泊代の半額補助施策だって、どこでも同じことをやっている。
結果、運用しているの旅行会社やネット事業などどこも同じ民間企業。
地方自治体に期待する方がどうかしている。

都会の元気で裕福な高齢者がたまに地方に来て金をばらまくという
こちらの施策の方が、よほど有意義。

都会の要らないものを、地方に棄てるのはもうやめて下さい。
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。