2007.09.16 売れない理由
これは例え話ではなく、実話である。

全国にあまねくチェーンを広げる、とある店。
そこの店長クラスがこうつぶやいた。

「なんで盛岡じゃ売れないんだ!?」

これまで到る所で、同じように売れていたものが、盛岡ではなぜか売れない。
それが、これまでやってきた自分のキャリアを否定されているようで、面白くないらしい。

この人は、商売人としては失格である。

所得水準の違いとか、立地の違いとか、
分析とまでは言えない様な、底浅い推論を持ち出して、
自己正当化しようとするのでは、まるでダメ。

全国で売れているとは言うが、
「全国で」という基準が、単に彼のこれまでの任地であるということにも自身、気づいていない。

彼は、「日本は全て均質」という幻想の中に生きているのだ。

例えば、盛岡と同じ人口規模の町を持ち出して、
「あそこで売れているのにここで売れないのはおかしい」と説く。
その土地の年齢分布とか、マイカー利用率の違いとかは、頭に無い。
「ここだけ特別に他と違うはずが無い」と言うが、
限られた任地の中での一都市なんて、違う可能性は十分あるだろう。

西日本で培われた経験が、東日本で生きない現実。
そう言ってしまえば簡単なのだが、言っても分からないであろう雰囲気なので、止めた。
全てとは言わないが、あの「ガツガツうるさい感じ」は、東日本では喜ばれないのに。
「あれもつけまっせ、これもつけまっせ!」ではなく、
単に「安く珍しく面倒臭くなく」しないと、盛岡で物は売れません。(笑)

それにしても、生まれ育った環境や思い込みと言うのは、
なかなか変えられないものである。
「よかれ」と思ってやっていることが、相手に受け入れられていないことに時間が掛かる。
こういうところでも、客観的な視点と言うのが、大切なようです。

過去の実績を「武勇伝」よろしく声高に言う人がいるけど、
この二十年で、どれだけ地域と時代が変わったのか、
見極めないと、とても看板だけでは成り立ちませんよねぇ。

売れない理由が自分にあるとは、よもや思っていない人。
売ろうと我流を通すほどに、売れなくなってゆくスパイラル。

かつて全国均質化を進めたチェーン店・コンビニこそ、
ピンポイントで地域性を重視した店が増えていますね。


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