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2014.01.12 中央
その昔、多くの地方在住者は東京のことを「中央」と呼んだ。
東京出身者が地方に来てその意味が理解できず、
やたらに「中央のほう」というのを「中央大学」のことだと勘違いした、
という実話がある。

「地方の時代」だとか「方言ブーム」だとかが到底ありえなかった時代、
「中央=東京」こそが善で、それを追いかけ近づくことこそが正しい、
といった考え方は、今よりずっと優勢だったと思う。

場所を指し示す記号でしかない中央を、今も好んで使う傾向。
四国中央市は冗談かと思ったら、実際に存在した。
中央駅、中央公園、中央通、その狭いエリアの中の、中心部だというエゴ。
その言葉に関わる方々には大変申し訳ないのだが、
個人的には、どうもしっくり来ない。

そんな折、新たに「中央小学校」なる学校が生まれるのだと聞いて愕然とした。
今月新たに誕生した、「滝沢市」での出来事である。

盛岡市境に程近い場所に建てられる学校名を、(当時の)滝沢村は公募した。
その結果、トップ候補となったのが「室小路小学校」
建設される地域の名称だという。

ところが実際に選ばれたのは「滝沢中央小学校」
この案を応募したのは、たった一人だという。
この経過については公式ホームページでも公開され、
「なぜトップ候補を選ばなかったのか」という岩手日報記者と
(当時の)滝沢村の担当者とのやり取りが、大変に興味深い。

ごく個人的な感覚で言えば、「他には無い学校名を選んだ方がよい」と思う。
混同される恐れが少ないし、何より地元愛に関わる。
その意味で、「中央」なんて全国あまねく存在しそうな名前、
敢えて公立学校が使うべきものではない。
このエリアには、私立の「中央高校」なんて学校も存在しているのだし。

もっとも、単独市制移行を果たした滝沢市としては、
隣接する盛岡市の「下小路中学校」に似ていては面白くない、
というのであれば致し方ない。

地図を見渡すと、近隣には「境橋」という橋があるようだ。
もし仮に今候補を出せと言われたら、迷わず「境橋小学校」を推したいが、
滝沢と盛岡の境となる橋の名では、なおさら面白くないか。
盛岡市の中心部にある「下橋中学校」にも似ていることだし。

それにしても、「住民自治日本一」を標榜する滝沢市がこれでいいのだろうか。
多数決が絶対とまでは言わないが、住民の意向を汲んでいるとは到底思えない。
滝沢市の中で中央部にあるということが、どれだけの意味を持つのか。

何しろこのネーミングには、もう一つの落とし穴があった。

滝沢市は市制移行に合わせて、住居表示の短縮を実施した。
このうち、新市名と重複する大字「滝沢」には、特に削除を求めた。
つまり、「滝沢村滝沢字○○」は「滝沢市○○」となった。

「滝沢市立滝沢中央小学校」と、滝沢が2度も連なるが、
住居表示は「旧・滝沢村滝沢字室小路」ならば今は「滝沢市室小路」なのである。
滝沢地区のみで、小字が大字に昇格するという珍現象の中、
学校名には滝沢を連呼する。
住民の多くが望んだ名称は無きものに。
一体、何のために公募したのだろう。

一方で、例えば「旧・滝沢村鵜飼字仁沢瀬」は「滝沢市鵜飼仁沢瀬」へ。
ところが市役所のある、つまり将来的に「中央」になろうとする
「旧・滝沢村鵜飼字中鵜飼」は特例的に「滝沢市中鵜飼」へ。
こうなると、「簡素化」と言う言葉だけでは片づけられない「重大さ」を感じる。

どうでもいいよ、という声も少なくないはず。
でも、期待していた新しい「滝沢市」のあり方とは、何か違う。
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