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2014.06.02 田舎の憂鬱
「地域間対立はネタ」
少なくとも、地方に生まれ育った人間は、そのことを知っている。

たとえば、
「九州で福岡に次ぐ第二の都市はどこか」とか、
「日本海沿岸の中枢都市はどこか」とか。

ところが、なまじ田舎の事情に興味を惹かれて、その内幕をしたり顔で語ると大恥をかく。
そんな方のブログに、再び出会ってしまった。

「対抗心めいたもの」は、郷土愛の裏返し。
それを口にする人々は、自らが居を構える地域に固有の風土や文化があると
自認しているからこそ、その思いをネタにする。
ところが(敢えて言えば)都会人が、
それを「ドングリの背比べ」と真顔で非難するから滑稽。
理想の中の地方像を逸脱すると、地方はこの言われよう。

この手の御仁には、どうしてもイオンが目障りらしい。
「同化政策」になびいた田舎は、イオンに「直撃」されたと喚く。
「イオン批判ではない、イオンが無いほどの田舎に価値があるのだ」と説くが、
これは他ならぬ「大批判」である。
何を説くのも自由だが、それほどの限界集落に住む人が、
遠方のイオンまで出掛けて行くことは、そもそも批判の対象にならないのか。
「(イオンで)現代生活のニーズを補完」というくだりには、言葉を失った。
「地方はイオンにのみ依存している」という思い込みは、ついにここまで来たかと。

何を見て聞いてきたのか、「イオンにはその地域特有の店が無い」と嘆く。
イオンは観光地でもなければ、伝統的商店街でも、況や地元資本でもない。
例えばそこに彼は、「南部鉄器や紫紺染の店が無い」と非難する。
採算度外視、都会人の理想を満たすために、イオンは地方色を出せという主張
地元のニーズが無いのに、地方を慮れとは、大きなお世話。
しかもこの批判は、イオン本体のみならずその立地地域全体へ向けられている。
こういう人は、地方の赤字鉄道路線廃止をどう論じるのだろう。

路線と言えば、鉄道も道路も、
古くからある都市を結んだ結果が、今日の交通網。
彼はこれを「無機質な発展」と締めくくる。
この影響で生まれた大都市を次長は知らないが、
そこには「でっちあげただけの政令市」があるそうである。
これは交通とは無縁の、合併特例法などの結果だと思うのだが…

話を元に戻す。
彼はイオンを「文化的な植民地」だと叫ぶが、
この思想は多様的選択制を享受する都会人が、
地方人は旧来の土着的でクローズドな文化で都会人の幻想を満たせ、というもので
よほど植民政策的な考え方である。

また、このモデルとして挙げられるのが、
「東京スカイツリーのソラマチタウンにはあるのに」、
「横浜の赤レンガ倉庫ではできてるのに」という比較論。
これらは有り体に言えば「観光地」
観光地が地域性を打ち出すのは当たり前だ。

「オリジナリティのある暮らし」を理想とする考え方は理解できる。
だが、地域に根差した文化の存続を訴える思いは、
「地方の実情を知らない」というただ一点で、何ら説得力を持たない。

地方もピンキリ、そこに住む人もピンキリ。
頭の先から爪先までイオン一色の人もいるだろうが、
昔ながらの旧態依然とした暮らしを守る人もいるのである。
そうした人は地元の中ですら「時代錯誤」「世間を知らない」と笑われるのだが、
彼は、そうした「井の中の蛙」もまた気に入らないという。

ネット通販で本を買い、お中元は地元百貨店、
野菜は産直、週末ぶらぶらイオンへ出かける、といった
典型的なローカルの暮らしモデルが浮かばないのだと思う。
田舎者は取捨選択などしていないという思い込み。
押し寄せるイオンの黒船に巻き込まれ、喪失だけしているという固定観念。
世界の潮流を知らない田舎者も、画一化された店で物を買う田舎者もとにかく嫌い。
田舎者全般が惨めで哀れで愚鈍で仕方ないのだろう。

一度、ぜひ地方にお住まいになった方がいいと思う。
何にお気づきになるか、保証の限りではないが。

物心ともに均質化・統一化がグローバルに進行中、と説く中で、
「ローカルの持ち味をいかに出すか」を具体的にどうすべきなのかと言う主張が無い。
だからこそ、ただの客観的批評に見えてしまうのである。

つまりは、地域の良いものを知らずに、都会人に指摘されて初めて目が覚める。
そんな地方ではいけないという論旨だと思う。
ところがこの回りくどさで、論点がぼやけている。
イオンを語らなければ、主張はもう少し明確だったはず。

歳月もだいぶ経つが、
以前拝見したブログとの違いが見当たらなかったのは、ただ残念。
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