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2015.08.31 帰郷理由
「東京って言っても、こっちとあんまり変わらないじゃないですか」
彼女はそう言い切って、この町に帰ってきた。

同意を求められたが、
どうにも素直に頷けなかった。
特に、「東京だからって、特別凄い人は居なかった」というフレーズに対して。

インターネットの普及で、東京と地方の差は縮まった、ことになっている。
確かに、都会にしかなかった商品は手近になった。

ところが地方出身者にとって東京はまだ幻想で、
東京に言えばさしあたり「凄い人」に会えるんだろうという
甘い期待がある(人もまだいる)ことに驚いた。

東京は多層社会で、
「凄い人」もいれば「そうでない人」もザラにいる。
その混在が大都会ならではの醍醐味である。

昔、北陸から上京した女性に聞いた話が今も耳に残っている。
彼女の祖母が、孫娘に託したという「言葉」
「東京には、偉い人もそうでない人もいる、お金持ちもそうでない人もいる。
 自分がどのあたりに居るのか、間違えないように暮らしなさい」
その家は政治家一族で、おばあちゃんと言えどもそのあたりの感覚が
違うのだと思うが、どうにも深い。

東京に行っただけで、すぐさま「凄い人」に会えなかったというのは
彼女がそんな人がいる世界には到達できなかった、ということに尽きる。
努力なのか運なのか、彼女のその狭い世界は変わらなかった。

求めずに待っていたのかも知れない。
居ることに満足していたのかも知れない。
ただ、そんな人にちょっとしたタイミングで
会えてしまうのも都会なのだが。

ここでいう「凄い人」とは、有名人ではなく「自分に大きな影響を与えるような人」
環境を変えても何も変わらないと感じた結果、
無駄に居ても仕方がないと素早く判断したのは賢明だと思うが、
出向いて行って何かを求めて、結果何も掴めなかったという点は気になる。

上京して、なんだこれ地方でも買えるじゃない、
全然田舎と変わらないよ、というぐらいの感性でその結論に達したのであれば相当残念。

気づかないとか、感じないとか、
人との違いを喜んだり楽しめたりしないのであれば、仕方がない。
生まれ持ってそうなのか、環境がそうさせたのか、
それはそれでそれ相応の世界を見つけて暮らすのがベターなんだろう。

夢破れて、というよりは
「東京も地方も変わらないじゃん」という前向きな思いと共に
地元での再出発を期した彼女だが、
志してなお東京で見つけられなかったものを、
居ても仕方がないと見切りをつけた地元で見つけられるのか、
今、それだけが気がかり。
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