「●●(こんにゃくゼリーの商品名)は、店頭の商品をもってしばらくの間販売をお休みさせていただきます」

そんなテレビCMを見て、驚いた。

この製品を、喉に詰まらせて窒息死する消費者が現れ、
これに注意喚起する声が高まりながら、
なおも犠牲者が出てきたことに対する、メーカーの対応であろう。

もしくは国から、そうした「配慮」を促す注意があったのだろうか。
メーカーは、商品の形状や内容を見直すなど、
製造工程から見直すほか注意を示すなど、それなりの努力はしてきたと記憶している。

ここへ来て、販売の自粛。
回収に到るまでではないが、この際あるものを売り切って、
今後はこの手の商品からはキレイさっぱり手を引く、という宣言か。
このあたりのニュアンス、人それぞれ解釈に違いがあるだろうが。

本当に危険ならば、とっくの昔に回収していなければならないのだが、
ここで「あるものを最後に」と言われると、
「どんなもんか買ってみようかな」という消費者心理も働く(のは次長だけか?)
こんにゃくゼリーを食べたのは、かれこれ五年以上も前だったと記憶するが。

ともあれ、こんにゃくゼリー、残り僅か?

率直に申し上げて、
こんにゃくゼリーという商品を世から取り除くことは、根本解決にならないと思う。
こんにゃくゼリーを原因とする窒息死の可能性は減るが、餅を食べて窒息死する人は減らない。
ならば餅の製造販売を停止するのかと言えば、そうはならないだろう。
餅を喉に詰まらせる高齢者は、毎年必ず居る。
にもかかわらず、なぜにこんにゃくゼリーはここまで害悪視されるのか。
餅は日本の文化だから?
こんにゃくゼリーはその歴史が浅いがゆえに、
社会から抹殺されるのであろうか。

餅もこんにゃくゼリーも、食べなければ死ぬ類の食品ではない。
食べる食べないは個人の判断であり、食べることを強要されるものではない。
小分けにするとか、砕くとか、危険を回避した状態で食べるのが本筋である。
売り手がわざわざ「危険性」に言及し、その表示がなされているのだから、
本人もそれを取り巻く保護者も扶養者も、その責務を負うべきである。

こんにゃくゼリーが販売停止に追いこまれるのに、
副流煙に発ガン物質が含まれる危険を指摘される嗜好品、たばこはそうはならない。
この矛盾を、どう説くのか?

こんにゃくゼリーは収税効果が低いからか?
こんにゃく農家の発言力が弱いからか?
こんにゃくが日本の基幹産業ではないからか?

こんにゃくゼリーには、奥深い問題がある。
米の炭水化物より、こんにゃくにふくまれる食物繊維の評価が大幅に遅れたように、
こんにゃくへの無理解さえもがここには内在する。

こんにゃくゼリーを愛する人は、
常習性の無い有益な植物食品を奪われても、その怒りをぶつける先が無い。

かたや、法が規制する
常習性のある有益な植物資源「大麻」は、その違法性ゆえに訴訟の対象となる。

静かにこんにゃくゼリーを愛した人々へ、
国も世論も何の後押しもできないという事実だけが、横たわる滑稽。

これから先、こんにゃくゼリーは日本国において封印され続けるのか?
外国から、もっと凄い弾力のゼリーが、輸入される日が来そうだけど。