2008.10.12
新しい廃墟
「盛岡南新都市」と呼ばれる
盛岡市の開発地区に、一際目立つ廃墟がある。
何も無い草地の中に、ホテルの形をした構造物が、
ただ幽霊屋敷のようにひょっこりと建つ。
関西の建築主が、自主再建を断念しての「夢の跡」である。
次長が子どもだったら、
間違いなく入り込んで遊んでしまいそうな建物だが、
人の気配など一切無い。
街のまんなかにありながら、人の気配がしないところで、さらに存在感は増す。
背景にある北上高地のなだらかな山々が、違和感を際立たせる。
さながら、この街のシンボルタワーのようだ。
美田を潰し、全く新しいバイパスとシンボルロードとに
十字に貫かれたこの街は、
「財政上の理由」という表向きで市役所移転計画も頓挫し、
今や典型的郊外型ロードサイド店舗の集約が進む。
十字の四隅から大型店で埋まるが、
それらは盛岡に既存の店が大きくなっただけで、
取り立てて新しさを感じさせるものでもない。
住民にとっては、利便性の向上に見えつつも
そんな不満も残りながらの、集約である。
売れ残った広い土地にはススキが伸び、
さながら、往年の「東京・台場」など、
バブル期の遺産たる新都市開発地区を思い起こさせる。
都市博の頓挫で、荒涼とした野原が広がったあの光景。
何の目玉も無かったその場所に、フジテレビが進出してしばし活気づく。
そこに「祝祭性」が生まれての活性化である。
思えば、何も無かった頃この地区に進出したという「岩手めんこいテレビ」は、フジ系列。
少なからずオーバーラップする。
この街は、どこへ行くのだろうかと思案する。
「シンボルロード」は、はじめから裏通り。
交通規制のためか、大型店の表玄関にはなり得ず、
美観からは程遠い看板が並べられて、見る人を失望させる。
この土地に存在したであろう、防風林や祠・碑の痕跡は一切無く、
おそらくこの10年盛岡を訪れていない人は、浦島太郎だ。
もう少し、美しい街を想像していた。
このままでは、ただひたすらに、
来るもの拒まず、去るもの追わずの街が出来上がる。
「杜の道」「杜の大橋」・・・誰も使わないこの名前、
はっきり言って、街が愛されていない証拠。
どうも、固有性の無い見知らぬ街を呼んでいるようで、実感が無い。
廃墟はいつまでも、この街を見守るのか。
空き地はいずれ、他と同様にまたもパチンコ店になるのか。
シンボルロードは、この街のシンボルとなりうるのか。
街のマネージメントを誰が担うのか。
これは、地元の方々が深く考え実行していかねばならない永遠の課題だと思う。
盛岡市の開発地区に、一際目立つ廃墟がある。
何も無い草地の中に、ホテルの形をした構造物が、
ただ幽霊屋敷のようにひょっこりと建つ。
関西の建築主が、自主再建を断念しての「夢の跡」である。
次長が子どもだったら、
間違いなく入り込んで遊んでしまいそうな建物だが、
人の気配など一切無い。
街のまんなかにありながら、人の気配がしないところで、さらに存在感は増す。
背景にある北上高地のなだらかな山々が、違和感を際立たせる。
さながら、この街のシンボルタワーのようだ。
美田を潰し、全く新しいバイパスとシンボルロードとに
十字に貫かれたこの街は、
「財政上の理由」という表向きで市役所移転計画も頓挫し、
今や典型的郊外型ロードサイド店舗の集約が進む。
十字の四隅から大型店で埋まるが、
それらは盛岡に既存の店が大きくなっただけで、
取り立てて新しさを感じさせるものでもない。
住民にとっては、利便性の向上に見えつつも
そんな不満も残りながらの、集約である。
売れ残った広い土地にはススキが伸び、
さながら、往年の「東京・台場」など、
バブル期の遺産たる新都市開発地区を思い起こさせる。
都市博の頓挫で、荒涼とした野原が広がったあの光景。
何の目玉も無かったその場所に、フジテレビが進出してしばし活気づく。
そこに「祝祭性」が生まれての活性化である。
思えば、何も無かった頃この地区に進出したという「岩手めんこいテレビ」は、フジ系列。
少なからずオーバーラップする。
この街は、どこへ行くのだろうかと思案する。
「シンボルロード」は、はじめから裏通り。
交通規制のためか、大型店の表玄関にはなり得ず、
美観からは程遠い看板が並べられて、見る人を失望させる。
この土地に存在したであろう、防風林や祠・碑の痕跡は一切無く、
おそらくこの10年盛岡を訪れていない人は、浦島太郎だ。
もう少し、美しい街を想像していた。
このままでは、ただひたすらに、
来るもの拒まず、去るもの追わずの街が出来上がる。
「杜の道」「杜の大橋」・・・誰も使わないこの名前、
はっきり言って、街が愛されていない証拠。
どうも、固有性の無い見知らぬ街を呼んでいるようで、実感が無い。
廃墟はいつまでも、この街を見守るのか。
空き地はいずれ、他と同様にまたもパチンコ店になるのか。
シンボルロードは、この街のシンボルとなりうるのか。
街のマネージメントを誰が担うのか。
これは、地元の方々が深く考え実行していかねばならない永遠の課題だと思う。
